極薄材料や多層材料の測定が可能な高周波数・高速装置、72DL PLUS™超音波厚さ計をご紹介します。この使いやすいポータブル装置は、自動車、航空宇宙、製造、発電などの産業全体で、難しい厚さ測定に幅広く対応できます。
詳しく知っていただけるように、このブログでは72DL PLUS厚さ計を検査ワークフローに取り入れる主な理由について探っていきます。
精密厚さ測定:始め方と進め方
周波数が高いほど、薄い材料を測定できます。かつては、最も精密な超音波厚さ計でも、最大周波数は約20 MHz、測定可能な最小厚さは約0.125 mm(0.005インチ)に限られていました。
最新の72DL PLUS厚さ計では、最大周波数が125 MHzなので、従来の超音波厚さ計の最小厚さよりだいぶ薄い、0.025 mm(0.001インチ)まで測定できます。
また72DL PLUS厚さ計は、使用する探触子の周波数が高いか低いかにかかわらず高速に作動し(最大測定速度2 kHz、60 Hzの表示更新)、測定ワークフローを効率化します。
これらの機能に加えて、使いやすい特長を備えた72DL PLUS厚さ計は、さまざまな周波数を使用する厚さ測定アプリケーションとして幅広く対応可能な、強力なツールです。72DL PLUS厚さ計を試してみるべき8つの理由を挙げます。
1. これまでになく薄い材料を測定可能
72DL PLUS厚さ計では、用途に応じて、単層材料を約0.0127 mm(0.0005インチ)の薄さまで測定できます。例えば、単層の鉄鋼は最小0.20 mm(0.008インチ)、単層のプラスチックは0.0127 mm(0.0005インチ)まで測定可能です。測定可能な最小厚さは、プローブの周波数、プローブの種類、試験体の材料によって異なります。
72DL PLUS厚さ計をM2104探触子と共に使用して行った薄い鉄鋼の厚さ測定
2. 6層までの厚さを一度に表示
72DL PLUS厚さ計の多層測定ソフトウェアオプションを使用して、塗装、プラスチック、金属、コーティングを含む、さまざまな多層材料を測定できます。 さらに、6層までの厚さを同時に表示できる特有の機能があります。これは38DL PLUS™厚さ計を2層も上回ります。
72DL PLUS厚さ計をM2104探触子と共に使用して行った塗装厚さの多層測定
3. 高速で厚さ測定を実施
タービンブレード検査のように時間的制限がある場合、厚さ測定を高速で実施することが重要です。最大測定速度2 kHzの高速厚さ計によって、生産現場のスループットが向上します。
72DL PLUS厚さ計をM208探触子と共に使用して行ったタービンブレードの厚さ測定
4. 多用途に対応する5つの測定レイアウトで厚さの変化を追跡
72DL PLUSハンドヘルド厚さ計の画面は小ぶりながらも、フルカラーの7インチタッチスクリーンで見やすくなっています。A-スキャン、B-スキャン、A/B-スキャン、傾向、ズームの5つの測定レイアウトにアクセスして、厚さの変化を完全に視覚化し、追跡することができます。
厚さの変化がわかりやすい72DL PLUS厚さ計の測定レイアウト
5. 定期的な厚さ測定のセットアップが簡単
定期的な厚さ測定の設定プロセスが簡単になり、検査のたびに手動で設定の選択や調整をする必要がなくなります。起動画面の[My Applications]メニューにアクセスするだけで、アプリケーション作成の各ステップをたどれます。あるいは、PCインターフェースアプリケーションを使用して、デスクトップからアプリケーションを作成できます。
72DL PLUS厚さ計の[My Applications]メニュー
6. 厚さデータの収集、確認、管理が簡単
内蔵のデータログ機能とオンボードファイル管理によって、厚さデータの収集と処理が合理化される一方で、PCインターフェースアプリケーションには複数の装置や部品のデータを確認・管理するための直感的なツールが含まれています。インダストリー4.0の実践に向けた接続性とクラウド対応により、ワイヤレスとUSBのどちらでも接続可能です。Olympus Scientific Cloud™(OSC)に統合されていて、無料のクラウドベース機能にアクセスすることもできます。
7. 産業環境で稼働時間を大幅にアップ
当社の他の厚さ計と同様に、過酷な産業環境下で稼働時間が最大になるように作られています。ミリタリーグレードの堅牢性(MIL-STD-810G)で、落下や衝撃から守り、防塵防滴性能(IP65準拠)を備えています。動作温度範囲が–10 °C~50 °C(14 °F~122 °F)と広く、暑さ寒さの両環境下で信頼性の高い測定が可能です。
8. 多様な厚さ測定アプリケーション向けの各種探触子に対応
72DL PLUS厚さ計は、標準周波数(0.2~30 MHz)と高周波数(20~125 MHz)のどちらの探触子にも対応します。極薄材料の測定に対応するため、高周波探触子のラインアップを拡張しました。M2102(75 MHz)とM2104(125 MHz)は、周波数の低下が最小限で検査範囲が最適な、耐久性に優れた直接接触型探触子です。性能を改善した高周波数バブラーなど、お客様の特殊ニーズに応えるその他の探触子ソリューションを開発中です。
極薄材料測定用のオリンパス高周波探触子シリーズの一部。左から右へ:B126バブラー付きM2104探触子、M2104探触子、M2102探触子、V215BB探触子、固定のスタンドオフディスクが見えるM2104探触子。34
72DL PLUS厚さ計には、標準周波数モデルと高周波数モデルがあります。72DL PLUS厚さ計と対応探触子を試してみる場合は、対面デモまたはオンラインデモについてお問い合わせください。
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