自動車メーカーは工程のデジタル化と自動化を継続的に進め、生産性の向上を目指し、電気駆動、接続性、自動運転車の採用など、目まぐるしく変化する顧客の需要に対応しています。
新たな開発を支えるため、自動車メーカーは生産全体の全工程を効率化する方法を考える必要があります。 一例が自動車塗装です。この工程では複数層の塗装と厚さの検査が必要です。 自動車塗装の厚さ測定の課題と、この多層的なプロセスを一回の厚さ測定で簡易化する方法について見ていきましょう。
自動車塗装の厚さ測定の課題
自動車塗装は、メーカーや自動車の色に応じて4~5層(あるいはそれ以上)に塗布されるのが一般的です。 車の塗装作業としては、通常、金属基板への電着塗装、プライマー、ベース塗装、クリア塗装があります。 色によっては追加の塗装層(マイカ)があります。
現在行われているほとんどの測定オプションでは、個々の層の厚さを一度の測定で得ることはできません。 各塗装層を塗布するたびに全体の厚さを測定し、引き算で個々の層の厚さを求めなければならない手法もあります。 このやり方は面倒で時間がかかります。
メーカーや型式によっては、車体ごとに検査ポイントが100か所以上になる場合があります。 通常、層の厚さ測定は、長時間にわたる傾向をモニタリングするために同じ場所で行います。
自動車メーカーは、以下の方法で塗装の作業時間を短くできます。
- 各塗装の塗布間の硬化時間を削減
- 塗装層の厚さ測定を、各塗装の塗布後ではなくすべての塗装層の塗布後に実施
この改善ワークフローには、個々の塗装層の厚さと塗装層全体の厚さを、生産ラインの最後に一度で測定可能な技術が必要です。
自動車塗装の厚さ測定を高速化する方法
72DL PLUS™超音波厚さ計は、最大6層の高速・高周波数測定が可能なことから、自動車塗装の厚さ測定に最適です。 個々の層の厚さと塗装層全体の厚さを一度に測定することもできます。
直感的に操作可能なソフトウェアによって、塗装の厚さを簡単に高速測定できます。 日常的な検査については、設定を保存して後で呼び出すことができます。設定を厚さ計から呼び出せば、わずか数秒で検査を始められます。 必要に応じて、厚さ計の測定単位をミル、ミクロン、インチに設定できます。
自動車塗装の厚さ測定には、高周波数で複数の極薄層を測定可能なM2104(125 MHz)探触子が推奨されます。 この探触子には3つのプラスチックディスクが付いていて、塗装試料を摩耗することなく試験体上を移動することもできます。
自動車塗装の厚さ測定用の高周波数(125 MHz)探触子M2104
自動車多層塗装の厚さ測定例
以下に、クリア塗装、顔料、ベース塗装、プライマーからなる複数層の自動車塗装の測定例を示します。 下のスクリーンショットは72DL PLUS厚さ計(高周波数モデル)のものです。 4つの塗装層それぞれの厚さと全体の厚さがライブ検査画面に表示されています。
72DL PLUS厚さ計を使用した自動車の多層塗装の測定例。 Layer 1はクリア塗装、Layer 2は顔料、Layer 3はベース塗装、Layer 4はプライマーです。
72DL PLUS厚さ計には、5種類のレイアウト(A-スキャン、B-スキャン、A/B-スキャン、傾向、ズーム)もあり、個々の層の厚さがわかりやすくなります。 下のスクリーンショットでは、レイアウトを使って厚さ計で塗装層の厚さを可視化する方法がいくつか示されています。
72DL PLUS厚さ計には、厚さの変化を可視化するための各種測定レイアウトがあります。
その他の便利な機能としては、カスタムパートマップによるガイド付き検査があります。 このマップには、検査ポイントが明確にマーキングされた試験体の画像が表示されます。
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