金属鉱物切片や半導体ウエハのような「光を透過しないサンプル」を観察する光学顕微鏡では、対物レンズ側 から照明する「落射照明光学系」が採用されています。 一般的な正立型落射型顕微鏡(図1)は、顕微鏡本体と鏡筒の間に落射照明ユニットを挿入した構成がとられています。この落射照明光学系は(図2)にある ように、光源から出た光がコレクタレンズにより開口絞りの位置に光源像を結びます。これを2次光源として、視野絞り・視野レンズを経て、光軸に対して45 度の角度で配置されたハーフミラー(半透明ミラー)で反射して、対物レンズの瞳位置に光源の像が結ばれます。これを3次光源として、対物レンズ自身がコンデンサの役割を果たしサンプル面にテレセントリックな照明を行う、ケーラ照明系の構成となっている。サンプル面にて反射された光は、再度、対物レンズを通った後、ハーフミラーを透過して観察光学系にリレーされます。
図1. 正立型反射型顕微鏡と落射照明ユニット
図2. 落射照明光学系の光学構成